あなたは
- 不貞行為とは何か知りたい
- 不貞行為の定義や判断基準を知りたい
- 浮気や不倫はよく聞くけど同じこと?
などとお考えではありませんか?
結論から言えば、不貞行為とは「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」です。
この記事を読むことで、不貞行為とは何かを知り、適切な対応をとれます。
そこでこの記事では
1章で不貞行為とは何か、
2章で疑わしい兆候
3章で不貞行為の証拠
4章で不貞行為が認められたらできること
5章で慰謝料の請求
について説明しています。
この記事を読んで、不貞行為について理解して問題を解決しましょう。
目次
1章:不貞行為とは
不貞行為の定義について説明しています。
- 不貞行為とは「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」
- 不貞行為と浮気・不倫の違い
- 不貞行為に該当するケース
- 不貞行為に該当しないケース
それぞれ説明します。
1-1:不貞行為とは「配偶者以外の異性と肉体関係を持つ」こと
不貞行為とは「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」です。
婚姻関係にあるものが、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことは、夫婦間の貞操義務違反にあたります。
このことを不貞行為とされており、民法で法定離婚事由に該当します。
1-2:不貞行為と浮気・不倫との違い
不貞行為と浮気、不倫との違いは以下のとおりです。
不貞行為 | 浮気 | 不倫 | |
当事者 | 既婚者 | 既婚・独身 | 既婚者 |
関係 | 肉体関係が認められたものに限る | 肉体関係の有無は問わない | 肉体関係の有無は問わない |
浮気や不倫に法律の定義はなく、とらえ方は当事者ごとに異なります。
しかし、法律では、不貞行為は既婚者が「配偶者以外の異性と肉体関係がある」ことが、定義です。
■当事者について
不貞行為と不倫は既婚者に対して、浮気は既婚者、独身を問いません。
■関係について
不貞行為は肉体関係が認められたものに限ります。しかし、不倫、浮気は肉体関係の有無は問いません。
1-3:不貞行為に該当するケース
不貞行為とは「自由な意思に基づき配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」が定義です。
1-3-1:酔った勢い
泥酔した状態で記憶がなくても、故意や過失が認められると、不貞行為にあたります。
ただしむりやり飲まされて、意識や記憶をなくされた状態で行われた行為は、不貞行為に該当しません。
1-3-2:風俗
風俗でも既婚者が肉体関係をもつと、不貞行為に該当します。
ただし風俗の場合、相手は仕事として性的なサービスを提供しているため、自由な意思のもとの肉体関係とは考えられず、慰謝料の請求は難しいです。
1-3-3:肉体関係があったと推測できる
2人でラブホテルに行っていたり、相手の自宅に行って長時間出てこなかったりした場合などは、肉体関係があったものとして不貞行為と認められます。
1-4:不貞行為に該当しないケース
1-4-1:食事やデートをしただけ
異性と2人でデートや食事に行っただけでは、不貞行為になりません。
不貞行為は肉体関係を持つことが定義なので、「食事だけのはずがない」と疑っても、証拠がなければ不貞行為と認められません。
1-4-2:メールやLINE、通話のやりとりのみ
異性とのLINEなど、メッセージのやりとりや通話は、不貞行為となりません。
「好き」や「会いたい」など、相手への好意をほのめかす言葉があっても、肉体関係があったと思わせる内容でないと、不貞行為と認められません。
1-4-3:手をつないだり、腕を組んだり、ハグやキスなどの行為
配偶者が異性と手をつないだり、腕を組んだり、ハグやキスなどの行為があっても、不貞行為と認められません。
なぜなら、不貞行為の定義は、「自由な意思の基づき配偶者以外の異性と肉体関係の持つ」ことにあるからです。
ハグやキスをすることは、配偶者が相手に好意をもっていることを示しているかもしれませんが、必ずしも肉体関係があったことを意味するわけではありません。
本人に問い詰めて自白させる材料にはなりますが、法律上、ハグやキスの行為だけでは不貞行為に該当しないのです。
2章:配偶者の不貞行為が疑わしい5つの兆候
不貞行為をしている配偶者の兆候として、次の5つがあります。
- スマートフォンの使い方の変化
- 予定の確認をしてくる
- 急な残業の増加
- 1人での外出の増加
- 服装などの好みの変化
それぞれ説明します。
2-1:スマートフォンの使い方の変化
スマートフォンは不貞相手との連絡に必要で、その中には一緒に写っている写真や動画が入っていたりします。
- 画面を見られないように、伏せて置くようになった
- お風呂場に持ち込むなど、スマートフォンを離さなくない
- かかってきた電話にでない
など、不貞行為をしていると、スマートフォンの使い方に変化がみられます。
2-2:予定の確認をしてくる
不貞行為をしていると、配偶者の予定を詳しく確認してきます。
それは、不貞相手と会うところを見られたら困る恐れから、配偶者が外出する時間に、配偶者が行く場所をさけて会おうと考えるからです。
例えば、妻がママ友とランチに行くときに、場所を知っておかないと、自分が不貞相手と会うところを見られてしまう可能性があります。
そのことから、外出するとき、時間や場所を詳しく確認してくるようになるでしょう。
2-3:急な残業の増加
不貞相手と会うための理由として、とても使いやすいのが残業です。
当然、不貞相手と会っているために、帰宅時間が遅くなるでしょう。
ミスをしたからと急に残業が続いたり、毎週同じ曜日の残業があったりします。
また、残業が続いているのに、疲れた様子がなく、仕事に対して愚痴を言わないなど、家での様子にも変化があるでしょう。
2-4:1人での外出の増加
不貞行為をしていると、1人での外出が増えるでしょう。
例えば、急に「趣味ができた」と言って、休日に1人での外出が増えた場合は、不貞相手と会っている可能性があります。
その場合は、趣味は外出するための理由で
- 「誰と行ってきたの?」
- 「どこに行ってきたの?」
- 「何をしてきたの?」
などと聞いても、実際はその趣味はしていないため、曖昧な返答になるでしょう。
2-5:服装などの好みの変化
服装や髪型など見た目の変化が見られたら、異性を意識している可能性が高いです。
- アクセサリーや香水
- 下着など肌に直接、身に着けるもの
- 金銭感覚にあわない高級な時計やブランド品
これらは、不貞相手からのプレゼントの可能性があります。
配偶者の趣味や金銭感覚と違っている場合は注意が必要です。
3章:不貞行為に疑いをもったら、証拠を集めよう
不貞行為の証拠となるのは、肉体関係があったことが確実または推測できるものが必要です。
- メッセージの履歴
- 写真や動画
- 音声データ
- 手紙
- プレゼント
- クレジットカードの利用明細
それぞれ説明します。
3-1:メッセージの履歴
メールやLINEのやりとりは、証拠として認められます。
ただし、メッセージのやりとりは曖昧な表現が多くなるため
肉体関係があったと思わせる内容でも、言い逃れができてしまうのです。
しかし
- 「昨日のホテル、よかったね」
- 「次は○○に旅行行きたいね」
- 「いつ泊りにくるの」
など、確実に肉体関係があったと推測できる内容が必要です。
また、そのメッセージが、誰から誰にいつ送られたものか確認できる画面も必要です。
3-2:写真や動画
写真や動画も証拠として認められます。
配偶者と不貞相手の行為の写真や動画であれば、確実な証拠となるでしょう。
しかし、通常、そのような写真や動画は、ほとんど存在しません。
ただし、肉体関係があったと推測できる写真や動画でも、不貞行為の証拠として認定されます。
例えば
- 2人がラブホテルに出入りしている
- 相手の自宅に出入りしている
- 不貞相手との旅行に行っていた
などの写真や動画は、2人の顔と撮影の日が確認できれば、性的関係を認める強力な証拠になるでしょう。
3-3:音声データ
肉体関係があったことが明らかな音声データがあれば証拠になります。
相手の自宅やラブホテルに入るような会話や、行為のあとの会話が録音できれば、肉体関係があることが推測でき、強力な証拠となるでしょう。
3-4:手紙
手紙が不貞相手から送られてきたものであれば、内容によっては、不貞行為があったと推測できる証拠となります。
ただし、
- 「食事がおいしかったね」
- 「遊園地、楽しかったね」
くらいの内容では、肉体関係があったことにはならないので、不貞行為の証拠にはなりません。
さらに、メールやLINEの履歴と同様で、誰から誰にいつ送ってきた手紙なのか、分かる必要があります。
3-5:相手からのプレゼント
不貞相手からもらったと思われるプレゼントが証拠になることもあります。
- 金銭感覚にあっていない高価な時計
- 趣味と違う見慣れないアクセサリー
- 直接身に着ける下着や香水
などは、知人からのプレゼントとして贈られる可能性は低く、不貞相手からもらったプレゼントの可能性が高いです。
ただし、プレゼントをもらっただけでは不貞行為の証拠としては弱いので、ほかの証拠も必要になります。
3-6:クレジットカードの利用明細
クレジットカードの利用明細は証拠になります。
クレジットカードの明細には日時、場所、商品、代金が記載されているためです。
「毎週金曜日は残業で遅くなる」と言っていても、金曜日にラブホテルやレストランの利用明細があると、配偶者が嘘をついていることがわかります。
複数回、ラブホテルを利用したことが確認できれば、強力な証拠になるでしょう。
4章:不貞行為が判明したらできること
不貞行為が判明したら、以下のことができます。
- 配偶者への慰謝料請求
- 不貞相手への慰謝料請求
- 配偶者への離婚請求
- 二人への慰謝料請求
それぞれ説明します。
4-1:配偶者への慰謝料請求
配偶者が不貞行為していた場合、慰謝料の請求ができます。
金額は期間や回数などケースバイケースで決定されます。
しかし、離婚しない場合、配偶者が支払う慰謝料は家計からの支出になるため現実的ではありません。
4-2:不貞相手への慰謝料請求
配偶者が不貞行為していた場合、不貞相手にも慰謝料を請求できます。
ただし、不貞相手にのみ請求した場合、相手側は求償権を行使できます。求償権を行使して、配偶者に慰謝料の半額を請求してくることも注意しましょう。
※求償権とは:法律上の理由によって被った財産の減少について特定の者に返還を求める権利
4-3:配偶者への離婚請求
配偶者に不貞行為があった場合、そのことが理由で、婚姻関係の継続が不可能と認められれば、離婚を請求できます。
4-4:二人への慰謝料請求
不貞行為が認められれば、配偶者と不貞相手の2人に慰謝料を請求できます。
不貞行為は2人で行う行為のため、連帯で慰謝料を全額支払うことになります
つまり、2倍の慰謝料がもらえることではありません。
5章:慰謝料の相場と増額・減額の要因
不貞行為の慰謝料の相場は、数十万から300万です。
夫婦関係に与えた影響が大きいほど慰謝料は高くなります。ただし、具体的な金額は個々の事情や、裁判所の判断になります。
- 慰謝料の相場
- 慰謝料の増額の要因
- 慰謝料の減額の要因
それぞれ説明します。
5-1:不貞行為の慰謝料の相場は数十万から300万
慰謝料の金額は、離婚の有無や不貞行為の期間など、総合的に判断されます。
5-1-1:夫婦関係は継続している場合の相場
不貞行為はあったが、本人の反省などで婚姻関係を継続する場合の慰謝料の相場は、50万から100万です。
5-1-2:不貞行為が原因で別居した場合の相場
配偶者の不貞行為が原因で別居となった場合の慰謝料の相場は、200万から300万です。
5-1-3:不貞行為が原因で離婚した場合の相場
配偶者の不貞行為が原因で離婚になった場合の慰謝料の相場は、200万から300万です。
5-2:慰謝料の増額・減額の要因
5-2-1:慰謝料増額の要因
慰謝料が増額される要因として、以下のようなものがあります。
- 不貞行為が原因で離婚した場合
- 婚姻期間が長い
- 不貞関係の期間が長い
- 不貞行為の回数が多い
- 未成年の子どもがいる
相手が既婚者なことを知っている
これらの要因が認められると、慰謝料が増額される可能性があります。
5-2-2:慰謝料減額の要因
慰謝料が減額される要因として、以下のようなものがあります。
- 夫婦関係が破綻していない
- 婚姻期間が短い
- 子どもがいない
- 社会的制裁をうけている
- 不貞行為が一度きりの場合
これらの要因が認められると、慰謝料が減額される可能性があります。
5-2-3:慰謝料の請求ができないケース
慰謝料が請求できないケースとして、以下のものがあります。
- 肉体関係が認められない
- 不貞行為をしていたときには、すでに夫婦関係が破綻していた
- 相手に故意または、過失が認められない
- 不貞行為を知っていたのに長期間行動を起こさなかった
これらの要因で、慰謝料が請求できなくなる恐れがあります。
まとめ:不貞行為とは「自ら意思で配偶者以外の異性と肉体関係をもつ」こと
この記事では、不貞行為の定義から、その兆候、証拠の集め方、不貞行為が判明した際の対処法について、詳しく解説しました。
不貞行為とは、配偶者以外の異性と肉体関係を持つ行為です。
そして、その具体的なケースや、該当しないケースについても触れています。
- 不貞行為とは「自由な意思に基づき、配偶者以外の異性と肉体関係を持つ」こと
- 不貞行為と浮気・不倫との違い
- 不貞行為に該当するケース・該当しないケース
- 不貞行為が疑わしい兆候
- 慰謝料を請求するための証拠集め
- 不貞行為が認められると、できることは慰謝料の請求
- 不貞行為の慰謝料の相場は、数十万から300万。
について解説しました。
不貞行為の問題は深刻で、その対処法を知ることは非常に重要です。
この記事が、不貞行為に直面した方々の助けとなれば、幸いです。
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